当時、EC統合へ向けたエミッション・コントロール(排ガス規制)が1993年から施行されることが決まり、もはやキャブレター仕様のままでは、新規制の厳しい基準をクリアすることが不可能となったため、それまでは聖域でもあるかのように見直されることのなかったAシリーズ・エンジンの燃料供給装置が、インジェクションへと変更されたのです。
このエミッション・コントロールの話が確実になった当初、ローバー・グループは規制実施後のミニの存続に関しては何もアナウンスせず、ミニ・ファンの心配はかなり大きなものになっていましたが、1991年も後半になって、ようやく前述のような燃料供給装置のインジェクション化を発表し、ミニの存続が確定。
ミニ・ファンもホッと胸をなでおろし一件落着となったわけですが、このローバー・グループの大英断がなかったら、今まで脈々と続いてきたミニの歴史もこの時点で確実に終わっていたでしょう。
ミニ・ファンのミニへの思いを裏切ることのなかった、このローバー・グループの決断。今更ながら、「すごいことだったんだなぁ」と思わずにはいられませんよね。